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fucktokyotee

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2020年に東京オリンピックが開催されるということが決まったとき、俺は大学4年生だった。
そしてその年に、俺は卒業論文を出すことができなかった。卒業論文を出す、という行為だけ残して、俺は東京から群馬県は伊勢崎市の実家に帰った。
「自分は東京の人間でなければいけない」という思いを強くもっていたのだろう。
餌を取り上げられた犬のように、伊勢崎にいればいるほど、東京への執着は強くなっていった。

そして同時に、執着している自分への嫌悪感も抱いていた。
たとえ第一志望ではなくても自分の進学した大学のことを好きになれたように、「今いる場所、、周りにいる人間」を愛さなくてはいけないのだ、と、実家のコーギーを撫でながら、ふと思った。

そして生まれて初めてTシャツを作った。
ちょうど前橋で遊び始めた頃で、前橋は遊ぶ場所もなかったんだけど、「自分たちがいる場所が遊ぶ場所だ」という気持ちで、仲間と遊んでいた。そのときの前橋で誰かがシルクスクリーンでTシャツを作っているのをみて、「これなら俺でもできる」と、パンクを聴いたときのような衝撃を受けた。

その衝撃のあと、シルクスクリーンの版を、親に金を借りて注文した。Tシャツのボディも、親に金を借りて注文した。

そして真夏、エアコンのない部屋で昼間からビールを飲みながらスケッチブックに何度もこの図版を描き、フォトショップで何度も修正してできたのが、このTシャツだった。

「fuck tokyo」が「"t"okyo」と小文字なのは、都市としての「Tokyo」ではなく、自分の執着している、個人的な東京に対して中指を立て、現状を愛するための、最大限の表現だと、23歳の俺は思っていた。
結果的にバカ売れした。自分の作ったものがバカ売れしたという経験は初めてだったので、素直に嬉しかった。


そして、俺は30歳になった。
いまでも俺は東京に執着しているのかもしれない。憧れのない執着なのかもしれない、と思っている。それと同時に、誰しもが(大文字の)東京に絶望をしたり、悲観をしたり、冷笑をしたりしている。
でも、大きなものに自分が戦いをいどんでも勝てないことも、知ってしまった。

そんな折に、小文字のtokyoをfuckしてやる、という気持ちが強くなった。2014年に伊勢崎にいた俺が、2021年に江古田にいる俺の横面をぶん殴りにきた感覚が、いきなり強くなった。

なので再販することにしました。




※完全受注生産です
※2021年8月14日まで受注、その後1週間程度を目安に発送します

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